⑩祝!戌年。ハナとの出会い

東日本大震災で被災し、避難所で3ヶ月、仮設住宅で3年間暮らしたお寺の和尚が、奇跡の一本松や巨大なベルトコンベアで全国に知られることとなった故郷、岩手県陸前高田市のことを書いていきます。フレンチブルドッグのハナさんは震災でかつての愛犬を亡くした和尚のために、妻と娘たちが連れてきてくれた新しい相棒です

ハナとの出会い

今年は戌年。

我が家の相棒の華さんの年。

クリスマスイブが誕生日で

3歳になりました。

そして私も戌年、還暦を迎えます。

戌年生まれなので

犬が好きなのかもしれません。

亡き父も生き物が好きで、

スズムシ、小鳥、猫、金魚、錦鯉、

熱帯魚、ウサギ、ハムスター。

変わったところではムササビなど。

弟も生き物が好きで、

大学卒業後は

ペットショップに勤めています。

もう一人の弟もこれまた同じで

犬、ハムスター、鳩を

現在進行形で飼っている。

 

ペットショップに勤めている弟が、

いろいろな事情で預かった4匹の犬を

うちに一度に連れて来たこともありました。

スタンダードプードルの「リズ」に

オールド・イングリッシュ・シープドッグの「ブラッキー」、

ベアデッドコリーの「金太郎」、

名前のないヨークシャテリア。

当時うちには

「ラム」というシベリアンハスキーがいたので、

我が家に合計5匹の犬が

いることになりました。

写真は全て津波で流されてしまったが、

まだ小さかった息子が

プードルの「リズ」の背に乗って

寺の本堂の廊下で写真を撮ったのが懐かしい。

リズは癌で半年もつかどうかと言われ、

環境の変化も心配したのだが、

その後、2年も生きました。

他の犬は珍しさもあってか

欲しいという人がいて、

引き取ってもらうことができた。

それにしてもみんな、

食べる食べる、驚くほどよく食べる。

フードはショップから送られるので

問題なかったが、

散歩がとても大変であった。

 

他にも私は雑種からスピッツ、

アメリカンコッカースパニエル、ハスキー、

ビーグルなど、多種多様な犬を飼った。

幼い頃から、傍らに犬が居なかった日は、

東日本大震災が起きるあの日までは、

一日もありませんでした。

その時飼っていたのはトイプードルだった。

車に乗せて一緒に外出したまま

震災が起き、

その方が安全だろうと考え、

犬を車の中に残したのを

とても後悔している。

後日、津波でグチャグチャになった車が

見つかった。

とても辛かった。

その後は、

犬を飼うことは勿論、

生き物の番組を見ることもできなくなった。

 

そんな様子を見かねた妻と娘が

ある日突然、私に何の相談もせず、

ワンコを連れてきた。

2014年12月24日、

和歌山県生まれの女の子。

たくさんの候補の中から「華(はな)」と命名。

ブサカワのやんちゃな相棒。

 

こんなに躾が大変な犬は今まで飼ったことがなく、

ドッグスクールへ。

見違えるようになって帰ってきた。

病気になりやすい犬種らしく、

アレルギーもあり、脱け毛もひどく、

手はかかるがとても可愛い。

私はまた、

犬がいる楽しい毎日を

過ごすことができるようになりました。

そんな華さんと年男。

今年もよろしくお願いいたします。

1958年生まれ。岩手県陸前高田市にある浄土寺の住職。以前は併設の幼稚園で園長も務めていたが、東日本大震災で寺は大規模半壊、園舎は跡形もなく流され現在休園中。奇跡的に家族の中には犠牲者が無かったが、愛犬一匹を失い、自身も避難所で3カ月、仮設住宅で3年間の生活を余儀なくされた。最大規模の被災地にある寺の住職として、犠牲者の魂や遺族たちの心を支え続けている。現在は妻と震災後にやってきたフレンチブルドッグのハナちゃんと生活。3人の子どもたちは成人し、それぞれ東京などで暮らしている。

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