⑬町づくりには必要なのだけれど!

東日本大震災で被災し、避難所で3ヶ月、仮設住宅で3年間暮らしたお寺の和尚が、奇跡の一本松や巨大なベルトコンベアで全国に知られることとなった故郷、岩手県陸前高田市のことを書いていきます。フレンチブルドッグのハナさんは震災でかつての愛犬を亡くした和尚のために、妻と娘たちが連れてきてくれた新しい相棒です

町づくりには必要なのだけれど!

陸前高田町内の本設道路や仮設道路や

未整備の道路も含め道路がコロコロ変わる。

1週間見ないと道が変わっている。

行き止まりや大きく迂回しなければならないなど大変である。

地元民でも大変なので

仏事などで他からやって来る人は尚のことである。

道路がない、ナビに出てきたけど曲がれないなどなど。

私は寺の住職なので、今日も火葬があって

葬祭ホールへ向かったがいつもの道がない。

その後火葬場へ行ったがコレまた

通行止めで許可を得て到着。

葬祭ホールで聴いた話によると、

どう行ったらいいか道順を教えてという

電話での問い合わせが毎回多くあるそうである。

目印となるものがない所もあり、

細かく会場への案内板を設置しないといけないなど、

普段以上に大変だとのこと。

先日は葬儀時間にも影響が出たそうである。

高校生や3月で出なければならない

仮設住宅にいる人たちも

生活に使っていた道路が変更になり、

BRT(JRが本線復旧までに提供する高速バス輸送システム)の停車場も

コロコロ変わり大変であろう。

最近は雪もよく降り、

数センチ程度の積雪なので大したことはないが、

工事車両がタイヤにつけて来る土が車道にたくさんあり、

この土と数センチの雪が溶けて

道路は泥水はねで白い車は茶色の車に大変身。

意外に綺麗な茶色になっている(笑)。

レンタカー屋泣かせだ!

私が住んでいる場所から寺へ行くのにも、

山側の遠回り道をしなくてはならず、

なんだかなぁ~である。

 

3月11日には建設中の総合交流センターで

市の追悼式が行われるが

迷う人多数出ることは必至である。

毎年、この時期になると

普段は何の報道もしていない報道関係者から

境内地からのカメラ撮影の許可願いや

取材の申し込みが多くなる。

そんな取材は受けませんよ!

1958年生まれ。岩手県陸前高田市にある浄土寺の住職。以前は併設の幼稚園で園長も務めていたが、東日本大震災で寺は大規模半壊、園舎は跡形もなく流され現在休園中。奇跡的に家族の中には犠牲者が無かったが、愛犬一匹を失い、自身も避難所で3カ月、仮設住宅で3年間の生活を余儀なくされた。最大規模の被災地にある寺の住職として、犠牲者の魂や遺族たちの心を支え続けている。現在は妻と震災後にやってきたフレンチブルドッグのハナちゃんと生活。3人の子どもたちは成人し、それぞれ東京などで暮らしている。

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