民泊はじめました!という前回のブログから、
早くも数カ月。
その後どうだったかといいますと……
すごいんです。
届けを出し、許可が下りたのが3月。
そこからすぐに民泊サイト
『Airbnb(エアービーエンドビー)』を通じて、
予約が入り始めました。
特に今年は10連休となった
令和記念のゴールデンウイーク。
ほぼ連日、
海外からのゲストが我が家を訪れることに。
スコットランド、カナダ、ドイツ、
フランス、スウェーデン、アメリカ、
台湾、香港、中国……と実にお国もバラエティ豊かで、
人類みな兄弟な時が
あっという間に過ぎました。
ところで、
なぜこんなに外国人が来るのかって?
そりゃあ前回も書きましたが、
キャッツですよ、キャッツ🐈🐈🐈!
石巻には住民よりも猫が多いと言われる
『田代島(たしろじま)』という離島があり、
震災前から有名だったそう。
とはいえ、外国人客が急増したのはここ数年。
ゲストたちに理由を尋ねると、
「ネットフリックス(アメリカのインターネット動画サイト)で
田代島のドキュメンタリーを見た」とか
「日本旅行を検索すると、
猫島行きを勧められて、
田代島はトップ3に出てくるよ」などの回答が。
中には、
「世界中がキャットアイランド(田代島)に憧れている。
知らないのは日本人だけだよ」と
断言したゲストもいて、
私はますます、
インバウンドのイの字も感じさせない
わが街の素朴さを案じずにはいられない気分に。
また、意外でしたが、
我が家にやってくる
外国人ゲストの多くは、
石巻が東日本大震災における
最大被災地とは知らないようです。
というより、
8年前の大震災さえ、
なんだっけ、それ?という感じ。
若干、複雑な気がしますが、
考えてみれば私にとっても、
異国のニュースなんてそんなもの。
むしろ「被災地」という以外の理由で魅力を感じ、
わざわざ外国から人が来るというのは、
健全で希望があるように思います。
お互いのことを何も知らないのに、
同じときを過ごし、
一緒に笑いあえるというのは、
とても不思議で楽しいこと。
ヒトはみんな同じなんだな、と
肌で実感する体験です。
★
思えばあちこち巡って生きて来た
私の人生も旅そのもの。
だから特に女性のひとり旅なんかだと、
ふとしたした瞬間の孤独や
内省するような空気感に共鳴。
必要以上に「よくしてあげたい欲」が
ムラムラ湧きあがってきます。
だって私は宿の女主人。
「旅」というドラマの中では
かなりのメインキャラでありましょう。
猫が好きで日本の石巻を目指し、
たまたま我が家に泊まることを
選んだゲストたち。
多くは二度と会えないだろう出会い。
この奇跡が無駄にならないよう、
交差した時間を大切にしたい。
だって私は
Ishinomakiの民泊のおばちゃんとして、
彼らの特別な記憶に収まるのですから。
なんでこんなコトになったんだっけ?と
我ながらワケがわかりませんが、
とりあえずまたひとつ、
おもしろい役をいただいて光栄。
『民泊よあけの猫舎』の詳細はこちら。もちろん、日本人のお客様も大歓迎です。
筆者:塩坂佳子(しおさか・よしこ)大阪府高槻市出身。関西学院大学文学部卒業後はアルバイトなどを経験し、25歳でフリーランスのライター兼編集者として開業。2000年に大阪を出て、友人が住む小笠原諸島父島へ。釣り船の手伝いなどをして島暮らしを満喫、その様子を雑誌に連載するなどして2年間の長期滞在を楽しんだ。その後、板橋区へ移住し、東京でのライター・編集業を本格始動。主な仕事は結婚情報誌「ゼクシィ」や「婦人公論」などで執筆。出版社との契約で中国上海市に1年間駐在、現地編集部の立ち上げと雑誌創刊などにも関わった。東日本大震災後は、震災ボランティアとして宮城県を中心に訪問。2013年には、上海在住のイラストレーター・ワタナベマキコと共に、東北の名産品をユニークなキャラクターにした東北応援プロジェクト「東北☆家族」を立ち上げ。東京に住まいながら活動を続け、2015年秋に宮城県石巻市へ移住。2年間は主に石巻市産業復興支援員として、復興や地方再生を促す街の情報発信を担当した。2017年9月には『合同会社よあけのてがみ』を設立。現在は、自宅兼オフィスとして購入した築50年の庭付き中古一軒家をDIYでリノベーションしながら、2匹の愛猫・ふーちゃんとクロちゃんと共に暮らしている。
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