⑳お金のこと、誰に聞く?

東京でフリーライターをしていたアラフィフシングル女子。東日本大震災を機に東北へ通い始め、2015年にはついに宮城県石巻市へ移住。現在は庭付き中古一軒家を購入し、会社も設立。愛猫のふーちゃんと共に大海原へ漕ぎだした、そんなドキドキハラハラな毎日を記していきます 

お金のこと、誰に聞く?

私が自分のお金のことを

相談しようと思ったのは、

中村芳子さん。

まだ50代とお若いですが、

日本で女性第一号となったファイナンシャルプランナーで、

私も12~3年前に某雑誌の仕事で

取材をさせてもらったことがありました。

たった一度、

2時間程度のインタビューでしたが、

とても印象に残りました。

その理由のひとつは中村さんが、

聖書の本を出版するほど

熱心なクリスチャンであったこと。

お金のプロでクリスチャンとは、

ちょっと面白いと思いました。

東京で長くフリーライターなんてやっていると、

芸能人に文化人、作家、専門家……と、

いろんな人に取材する機会があります。

自ら語る言葉が少ない若いタレントなどには

とても苦労しましたが、

多くの場合はそれなりに面白く、

自分の知らないことを知れる、

とてもいい機会です。

 

しかし取材する側も、

年齢や経験を重ねるにつれ、

「この人の話はちょっと……」

と思う視点が養われてきます。

お金もそうですが、

メンタルや夫婦、家族問題など

読者の人生に大きな影響を及ぼす分野の専門家が

歪んでいると大変なことになるので、

話を聴く相手は慎重に選ばないといけません。

 

例えば、私は以前、

DV(家庭内暴力)の研究をしていた時期があり、

主に加害者の心理について知りたいと

「DV問題専門のカウンセラー」と名乗る男性に

近づいたことがありました。

その人は加害者研究の本も出版し、

加害者の自助グループも主催していました。

(自助グループとは、

同じ体験を持つ人が集まって体験談を話し合い、

共に治癒を目指すものです)

月に2度、その会が催されたので、

私もボランティアとして参加、

多くのDV加害者たちと接し、

その心理を勉強させてもらいました。

しかし、最終的には、

この専門家自身が自分の身内に対して、

モラハラや暴力の問題を抱えていたことが判明。

さすがの私もこの時ばかりは度肝を抜かれ、

人の心の闇の深さに愕然としました。

 

つまりこれは、

自分自身に問題があるにもかかわらず、

体験があるからといって

「自分と同じように苦しむ人を助けたい」

という方向に活路を見出し、

自分の問題を他人の問題に転嫁してしまうという、

大変危険かつ、よくあるパターンです。

これは本当に気をつけないといけません。

 

そうでなくても、

世の中にはあまりにも多いではありませんか。

おしどり夫婦と思われていたふたりが

突然離婚したり、

国民的アイドルが

実は酒と女性問題に溺れていたなどなど。

重大事件の犯人なんかでも、

エッ!まさかあの人が、ということが

本当に多い。

そう考えると、人間って本当にわからない。

もはや自分のことすら、

信じられなくなってきます。

 

そこで、

「生涯のお金」という大問題について

相談すべき専門家とはどんな人か。

私の場合は、

10年ほど前から自分も愛読するようになり、

迷った時の道しるべにしてきた

「聖書」を知る人物に、

相談したいと考えました。

けして宗教的なことではなくて、

何かしら心の奥に

「信条」や「志」がある人は、

その仕事に深みと一貫性がある、

というのが私の考え。

極端にいうと

「性格」よりも「信条」が合う人のほうが、

長く付き合えるという気がします。

 

もちろん、

クリスチャンというだけで、

誰もが信用できるとは思いません。

しかし、聖書の教えの基本は「利他」の精神。

自分が有名になりたいがために

話題性を重視して派手なことをしてみたり、

他人の人生よりも

自分のやり方を優先しがちな「専門家」が多い中、

「利他」を教える聖書を知る中村さんは、

親身になって私の人生を考え、

知恵をくれるに違いない。

そう、考えて

さっそく連絡をとってみました。

(つづく)

ファイナンシャルプランナー、中村芳子さんの新刊。私がまだギリ、40代ですが!

塩坂佳子(しおさか・よしこ)

1970 年生まれ、大阪府高槻市出身。関西学院大学文学部卒業後はアルバイトなどを経験し、25歳でフリーランスのライター兼編集者として開業。2000年に大阪を出て、友人が住む小笠原諸島父島へ。釣り船の手伝いなどをして島暮らしを満喫、その様子を雑誌に連載するなどして2年間の長期滞在を楽しんだ。その後、板橋区へ移住し、東京でのライター・編集業を本格始動。主な仕事は結婚情報誌「ゼクシィ」や「婦人公論」などで執筆。出版社との契約で中国上海市に1年間駐在、現地編集部の立ち上げと雑誌創刊などにも関わった。

東日本大震災後は、震災ボランティアとして宮城県を中心に訪問。2013年には、上海在住のイラストレーター・ワタナベマキコと共に、東北の名産品をユニークなキャラクターにした東北応援プロジェクト「東北☆家族」を立ち上げ。東京に住まいながら活動を続け、2015年秋に宮城県石巻市へ移住。2年間は主に石巻市産業復興支援員として、復興や地方再生を促す街の情報発信を担当した。2017年9月には自分の会社を設立。現在は、自宅兼オフィスとして購入した築50年の庭付き中古一軒家をDIYでリノベーションしながら、愛猫・ふーちゃんと共に新生活をスタートさせたばかり。

 

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