カナガシラを食そう!

2019年初のさかな女子部活動は、

「新春!おさかなおろし大会」と題して

盛大に開催!

……の予定が、

寒い季節の海は時化続き、

どんな魚が水揚げされるか、

全く魚が手に入らないという可能性もあり、

会場をおさえ、部員を集めたはいいものの、

直前までドキドキでありました。

魚の調達をしてくださるという

水産加工会社の若きエースから

一報が届いたのは当日の早朝。

「カナガシラをゲットできましたよ!」

競りなどで活気づく

石巻魚市場からの生中継という感じ。

おお、カナガシラ、カナガシラ!

運営サイドが小躍りしたのは

言うまでもありません。

お願いしておいたのは、

知名度が低かったり、

形や大きさが不規則、

傷がついた……などで

市場に出されないことが多い

「未利用魚(みりようぎょ)」と呼ばれるお魚。

これは石巻だけでなく

全国の漁港で発生しているもので、

毎朝忙しいプロたちからすると

売れないのに獲れてしまって世話がやける

「やっかいもの」扱いも。

二束三文での投げ売りや

仕方なく、廃棄することも

少なくないという話です。

そこでさかな女子部では

この「未利用魚」に着目、

獲れて嬉しい、買って嬉しい、食べて嬉しい

そんな三方よしとなる施策はないものか、と

数年前からじわじわと

チャレンジしてきたのでありました。

ホウボウの妹分、カナガシラ

前置きが長くなりましたが、

つまりはこのとんがり口がなんとも可愛い

赤いお魚「カナガシラちゃん」も

石巻では一般的に未利用魚として

あまり市場に出回っておりません。

が、顔も形もそっくりの親戚筋には、

あの有名な「ホウボウちゃん」がいて

ホウボウちゃんの方は石巻でも、

美味しいお魚として人気があります。

こちら今回の主役、カナガシラちゃん
こちら、親戚筋で高級魚のホウボウちゃん
胸びれから出ている前脚を使って砂地を歩くお魚です(写真はホウボウちゃん)

カナガシラちゃんにだってちゃんと前脚が
カナガシラちゃんの中にホウボウちゃんを1尾だけ。もうどこにいるかわかりません

お分かりの通り、

羽根のような胸びれの色が違うことを除けば、

姿形ではほとんど遜色ない

カナガシラとホウボウ。

しかしながら知名度、人気共に

今一つのカナガシラちゃん。

その理由は何なのでしょうか。

三枚おろしに挑戦

丸ごと1尾の魚をゲットしたら、

内臓以外は余さず頂くというのが

さかな女子部の流儀。

身はお刺身や焼き物、

揚げ物、煮物と何でもOK、

頭や骨のいわゆる「アラ」は

潮汁や骨せんべい、

肝や浮袋、胃袋などもおいしい魚の場合は、

もちろん個々に合った調理法で

すべてまるっと頂きます。

そしてなんと

このカナガシラちゃんとホウボウちゃんは

肝や浮袋もおいしいツウ向けのお魚。

本当に捨てるところが少ない

奇跡のようなお魚なのです。

そこで今回は基本のお刺身と潮汁、

おまけにパイ包み焼きの開発にも挑戦。

まずは全員で、

カナガシラちゃんを3枚におろしました。

赤ちゃん連れで頑張るママ部員も!

カナガシラやホウボウは

頭がとても大きなお魚。

全身の半分とはいかないまでも、

かなりの割合が頭です。

なので、魚の大きさの割には身がとれませんが、

その代わりかどうか、

頭や骨からは

いーーーーーーーいお出汁が

出るんですよねえ。

頭はエラをとり、血合いの部分を洗って潮汁用にとっておきます
お宝の内臓。右下の肌色の塊が「肝」、左下の赤いのは「卵」、右上のグレー色の袋たちは「胃袋」と「浮袋」。全部食べれます

実食!

料理完成後は

さっそく実食スタートであります。

まずは、カナガシラちゃんの実力が

もっとも発揮されやすい、

お出汁から。

1杯目は味付け無し、

そのままの味を覚えましょう。

沸騰したお湯にカナガシラのアラを入れ、丁寧にアクをすくって出来上がり。上品かつ繊細、濃厚なお出汁でビックリ
あまりのおいしさに感動し、ひたすらお汁を飲み干す部員たち。2杯目はお好みで、塩や醤油を少し垂らして。味噌をいれても◎
赤いお魚はめでたいとお食い初めにも喜ばれます

子どももお魚が大好きに!

そしてお次は、メインのお刺身。

ここではホウボウちゃんと食べ比べです。

最初にカナガシラちゃんを頂きますと

あっさりとした上品な白身に

なにこれ、全然いけるじゃん!と

部員たちの感動もつかのま……

次にホウボウちゃんを口に入れたとたん、

全然違う!

と全員、絶叫。

やはり高値で取引されるホウボウちゃん、

お刺身の味わい深さとおいしさは

カナガシラちゃんを圧倒的に

引き離したのでありました。

ハッキリ言ってここだけは、

ローカルアイドルと

AKB48ぐらい差があるかもしれません。

        

左上がカナガシラちゃん、右がホウボウちゃんのお刺身。同じ白身でも、色や食感が違います。やはり刺身としてのおいしさはホウボウちゃんに軍配が

そして最後は

お料理上級者チームによる

カナガシラのパイ包み。

冷凍パイシートを使ったので、

あっという間に3種類が出来上がりました。

A:カナガシラとほうれん草のパイ

B:カナガシラとクリームチーズのパイ
C:カナガシラとポテトのパイ

投票の結果、どれも美味しい!

とかなりの僅差でありましたが、

Bのクリームチーズが一番人気となりました。

お魚の味がタンパクなだけに

濃厚なクリームチーズと合うのでしょう。

このパイ包みは今後も

いろいろなお魚で試していく所存です。

他にも今回は、

冷凍ホヤやイカを使っての

ヤンニョム(キムチの元)作りを教えてもらうなど、

盛りだくさんの内容で大満足。

これからも石巻さかな女子部は、

未利用魚や個性的なお魚に

チャレンジしていきます!

今回は12名の部員が参加しました(*’▽’)

石巻さかな女子部

2015年秋にスタートしたコミュニティ活動。水産の街・石巻から日本の魚食文化の復活を叫ぼうという大志を抱き、そのためにはまず、自分たちがもっと魚を楽しまなければ!と、おろし方や料理法の学習にとどまらず、新メニュー開発やイベントでのPRなど、「魚」をテーマにさまざまな活動を続ける。『ほやレシピグランプリ2017』では特別賞を受賞。入部希望者は随時受付中。お問い合わせは『合同会社よあけのてがみ』まで📩info@yoakenotegami.com

2015年~2017年の活動レポートは『海街さんぽ』のHPをご覧ください

さかな女子部のFacebookページもぜひチェックしてください!

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