⑦かさ上げ地に嬉しい開店

東日本大震災で被災し、避難所で3ヶ月、仮設住宅で3年間暮らしたお寺の和尚が、奇跡の一本松や巨大なベルトコンベアで全国に知られることとなった故郷、岩手県陸前高田市のことを書いていきます。フレンチブルドッグのハナさんは震災でかつての愛犬を亡くした和尚のために、妻と娘たちが連れてきてくれた新しい相棒です

かさ上げ地に嬉しい開店

12 月1日大安吉日。

かさ上げ地にまた新しい店がオープンしました。

「小泉屋」。

和菓子が中心の店ですが洋菓子もあります。

ここの米粉まんじゅうは絶品!

夫婦でやっるうちのお檀家さんのお店です。

日持ちがしないので

お土産に持っていけないのが難点。

冷凍して焼いて食べるのがまた美味い。

かさ上げ地には建設中の店が4店舗。

うち、洋菓子店以外の3店舗は飲食店。

既に営業している店も

ほとんどが飲食店で、

ほかには美容院、衣料品店、酒と雑貨の店、

スポーツ店が1店舗ずつ。

共同店舗「陸前高田まちなかテラス」には、

建設中の店も含めて5店舗が並んでいます。

私の寺のお檀家さんが

かさ上げ地に戻って営業している率が高く、

頑張っているのがとても嬉しい。

個人営業10店舗のうち、

5店舗がお檀家さんの店。

ちなみに今回オープンした

「小泉屋」さんの隣りは

以前、ここで紹介した

居酒屋「俺っ家」です。

これからも

いろんな店ができるだろうけど

飲食店の割合が多く、

現在は復興工事関係者が多いので

なんとかなってるが、

数年後いなくなった時に、

人口が減った地元だけで成り立つのだろうか?

この町で一緒に暮らして行く者として、

少し不安である。

菅原瑞秋(すがわら・みずあき)

1958年生まれ。岩手県陸前高田市にある浄土寺の住職。以前は併設の幼稚園で園長も務めていたが、東日本大震災で寺は大規模半壊、園舎は跡形もなく流され現在休園中。奇跡的に家族の中には犠牲者が無かったが、愛犬一匹を失い、自身も避難所で3カ月、仮設住宅で3年間の生活を余儀なくされた。最大規模の被災地にある寺の住職として、犠牲者の魂や遺族たちの心を支え続けている。現在は妻と震災後にやってきたフレンチブルドッグのハナちゃんと生活。3人の子どもたちは成人し、それぞれ東京などで暮らしている。

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