④呪いの言葉を解きたい

普通の主婦が突然のうつ病発症!「心の風邪」という言葉が世に出始めた頃でした。約10年の闘病生活から抜け、今年になって自ら一錠の薬も飲まなくなった筆者。この連載は、一度は壊れてしまった主婦が自分だけでなく家族の笑顔も取り戻すための奮闘記です。

呪いの言葉を解きたい

小さい頃から私は父親と仲良しで、

二人で遊園地や動物園によく行きました。

好きなお菓子を好きなだけ買ってもらい、

歯磨き習慣も今のように厳しくない時代で

私の乳歯は、虫歯で真っ黒でした。

母親がそんな私に対して、

よく顔をしかめていました。

小学校入学前に保育園に一年間、入園しましたが、

お昼寝ができなくてもぞもぞしている私に、

保母さんは手をやいていました。

ある時、母親が保母さんによばれた事がありました。

当時の母にとってそれは、一大事だったのでしょう。

自分の子供が、自分の思い通りに育たない事にいらだち、

私に対して、不安と不信があったのではないかと思います。

「どうしてあんたっていう子は、そんななの?」

やる事、なす事すべて母親の気にいらない。

それはおそらく、

私が祖母にしつけられた娘だったからです。

また、私はボーイッシュな紺色中心の服装で、

妹はピンク系のフリフリの服装と決まっていました。

「あんたは十人並みなんだから、かわいい洋服は似合わない。」

「あんたは色黒なんだから、ピンクは似合わない。」

母親から言われた言葉は、

呪いのように今でも鮮明に思い出します。

今の時代なら、

あなたはこれ!という母親の決めつけは違うと私にもわかります。

「みんな違ってみんないい」という言葉を

当時の母親に教えてあげたかったです。

そして、小学校入学前の自分にも言ってあげたいです。

「よくがんばったね。

認めてもらえなくてさみしかったよね。

大丈夫。あなたはあなたらしく咲けばいい。

同じ花はない。唯一無二の花なんだよ。」と。

自分が自分の母親から言われた呪いを解くには、

自分の子供達を立派にしっかり育てなくちゃ。

ちゃんとした母親にならなくちゃ……という気負いで、

子育ての本を読み漁り、

親業の本を学ぶ中で、

自分には何か欠けているものがあるようには、感じていました。

今から思えば、十年以上の間、

自分が3人の子供たちの幼少期と関わる中で

「ねばならない」が多すぎ、

自分ひとりで頑張って子育てしようとしたことも、

うつ病を発症した原因かもしれません。

誰か身近に相談できる人がいたなら、

ストレス解消の楽しみがあったなら、

心の病は忍び寄らなかったかも、と

今はそんな風に思います。

【Seiko】    宮城県仙台市出身。高校卒業後は通信関係の会社に就職。23歳で最初の夫と「成田離婚」を経験し、30歳で二度目の結婚を機に退職。石巻市に移り住み、3人の子供をもうけるが、2006年頃から心の病を発症。「うつ病」と診断され、約10年間の闘病生活を余儀なくされる。今年になって自ら一錠の薬も飲まずに生活。現在は懸命に社会復帰を目指している。

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